Catch me If you can

酒を飲み、肉を食べ、犬と遊んで暮らしたい

ガチマッチのイカたちへ 〜気づき、そして未来へ〜

Splathon Advent Calendar 2018 20th Dec

 

 「ガチマッチのイカたちへ」〜気づき、そして未来へ〜

 

 



「お前、重いんだよ」


顔をそむけてはいたが、眉根は潜めている。ずっと表現することを諦めた感情が、ひそかに、しかしついにその眉根の皺から滲み出た。そんな表情でガチマッチが言っている「重い」の言葉の意味が、4号にはわからなかった。

 

昼下がり。秋なる気配は微塵もない、まだまだ湿った8月の終わり。ロビーの空調は効き目がなく、じっとりと、どこにも行けない苦しさを含んだ熱気が室内にこもっていた。ステージが変わった直後。最後の10戦は負け続けていた。悔しさなのか、執着なのかわからない、黒焦げのすみくずのような胸の内が重たかった。ガチマッチに「重い」と言われる直前、4号はガチマにそれを吐露しただけのつもりだった。


なぜ?
こんなにもガチパワーを求めているのに
なぜその気持ちがわかってもらえないのか
なぜパワーが得られないのか
なぜ味方は溶けて行くのか
なぜ味方は塗らないのか
なぜ味方はタイミング悪くデスをするのか
なぜそんな味方と一緒にプレイをさせるのか
マッチングは壊れてるんじゃないのか
そんなマッチングをさせるN社が悪いんじゃないのか

 

ただ苦しい気持ちをわかって、受け止め、マッチングを改善してほしかった。ただ良い味方を割り当てて欲しかった。それだけのつもりだった。だって、そんなの、マッチングが悪いガチマのせいじゃないか。私の気持ちだって正当化されていいはずだし、口に出していいはずじゃないか。

 

いや、改善は期待していなかった。ただいつものように聞き流されるだけ、だからこちらも、気軽に不満を口にしていた。
それだけに、先ほどガチマッチの口から発せられた言葉は、面食らった、とも、ショック、とも言い難い、がつんと頰を殴られたような鈍い衝撃のあるものだった。

 

ガチマッチは続けて言った。

 

「ガチパワーのことなんだとおもってんの?仲間のことはなんだと思ってんの?俺が提供するものに不満があるなら、俺となんか会わなきゃいいだろ」
耳に届いても、その言葉は頭には届かなかった。ぼんやりと重たく、ねっとりとした、未消化の何かだけが胸にしとしとと渦巻いた。重たく鋭利な言葉だったはずなのに、涙も出なかった。のどが妙な乾きで張り付いて言葉が出ない。

 


声を出せない代わりに、4号はガチマッチと過ごした日々を思い出していた。

 

 

 

夏が盛り切る前の、蒸し暑い日であった。
センセーショナルなSplatoon2の発売とともに、新しいガチマッチがハイカラスクエアに現れた。

みんなこぞってガチマに群がった。無印の頃のカンスト勢、有名配信者、プロゲーマー、たくさんのイカたちが参戦し、ウデマエアップを競い合った。4号もたくさん潜った。

4号自身は最初はそこまでうまいプレイヤーではなかった。 無印はやっていたがカンストはできず、せいぜいSどまりであった。

 

「スプラ2ではウデマエをあげたい」

 

漠然とした目標と、方針のないプレイ。

 

ガチマッチでの勝利は、毎日とても遠かった。2勝すれば3度負け、5勝すれば10負けた。穴という穴から血を出しながらウデマエをあげ、S+1に到達したときは「ハイカラスクエアで生きる人権を得られた...」と唇をかみしめた。

 

そこからはまた苦しみの連続だった。

 

S+10に到達しない。どうしてもS+0や1でランクがさがってしまう。S+5にあがっても、ゲージが割れてまたS+0に逆戻り。Xが導入されたあとは、よりジリ貧感が高くなった。S+1でなんども負ける。S+5、折り返し地点からまた割れる。どんなにキルをしても、どんなに塗っても、どんなに試し打ちでエイム力をあげても、Xにあがれない。負ける。ゲージが割れた日は何時間も泣いた。泣きながらロビーヘ向かった。


ある日、突然飛び級した。2段階分ほど、ほぼ無敗でランクを上げた結果だった。
飛び上がって喜び、嬉しさで泣いた。いきなりXになった。

 

僥倖に近い報酬だった。

 

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ロビーからどうやって家に戻ったのかはあまりよく覚えていない。
あれを超えた今、私は強くなったと思っていたのに...

 

Xパワーが2300以上で安定しない。4号が苦しんでいたのはそれだった。


「重たい」と言われた後は、ガチマと鉢合わせる場所にはいかなかった。ロビーで少し見かけたかもしれないが、目をそらし、彼の視界に入らないようにしていた。いや、自分だけでなく、お互いそうだったのかもしれない。


離れたい。ガチパワーのことは考えたくない。

 

ガチマッチと関わらなくなったら何をするか。それはとても簡単だった。ガチマッチ以外のたくさんのマッチに潜ればよかった。
リグマ、プラベを毎日当たり前のように行き来し、ときどきシャケをしばき、対抗戦もたくさんやった。対抗戦こちらオールXエリおまロスト22時〜
4号にとって、仲間と連携できるそれらはとても開放的だった。

 

みんなでリーグパワーをもらえる
みんな溶けない
みんな塗ってくれる
みんなタイミングよくキルをしてくれる
そういう味方とプレイできる
だから、マッチングの崩壊を感じない
N社が悪いとも思わない

 


それは、ストレスから開放された軽やかな日々だった。

 


ガチマと関わらなくなって3ヶ月が過ぎようとした頃、ハイカラスクエアのビジョンに、甲子園優勝者が写っていた。インタビューをうけている。優勝者の知り合いなのか、広場で配信を見ている一人が泣いていた。

まぶしかった。


フイ、となんでもない風に目を背けるのは簡単で、顔の方向を変えると、ロビーから外に出て来た2枚のイカボーイとタコガールの声が耳に入って来た。

「またガチマまけた。まあでもこんな日もあるか、はあ〜おちこむ」
タコガールはそうやって気分を切り替えようとしていたが、すかさずイカボーイが言った。


「そんなの勝つマインドじゃないだろ。負けて振り返りしないでおちこむ時間つくるようなら勝とうとか思うんじゃねーよ」


タコガールは泣きそうだったので、完全にイカボーイのイキり発言だったのだが、4号はざくりと背中を切られたように錯覚した。

 


自分に言われているようだった。

 

 

 

4号は、なぜ自分がガチパワーをあれほど求めていたのか、正直頭も心にもしっくりきていなかった。ただ欲しいという渇望のような。それが何かを証明してくれるような、自分の強さを保証してくれるような。
少し考えてみて、「その言葉が正しいのかわからないけど....」安心のような、証明のようなものが欲しいような気がする、とひとりごちる。「負けるのは自分のせいじゃない、」部屋のガチパワー平均よりも自分のガチパワーが高ければ、負け筋を作ったのは自分ではないと数字で証明できる。自分が弱いんじゃない、自分は悪くないでもそれは何のため?何と競っている?友達?ライバル?むかつくやつ?それはあのイキりイカボーイの言う「負けて振り返りをしていない」ということになるのだろうか?

わからない

 

 


そんなようなことを、酒で酩酊し、やぶれかぶれになった気持ちを隠すことなく4号は呟いた。対抗戦帰り、一人で入った小料理屋*1。今日の対抗戦は勝ったけど、なんだか虚しかった。女将は「はいはい、そうね、そろそろやわらぎでも飲む?」と受け止め、流してくれている。ガチマッチにだって、こうやって対応してほしかったのだ、と、4号の頭のすみにさっとそんなことが姿を表し、消した。心臓の奥がちくりとする。

少しの沈黙の後、カウンターの角の席から声が聞こえた。

「ガチマは練習。個力をあげるための場所ですよ」
すでに深酒と言って良い状態になっていた4号は、そういったイカの顔は見えなかった。
そのイカの左胸には「北陸」の文字があったのだが、4号の目には滲んで写っていたので、正しく認識していたが定かではない。
女将も言った。
「もっと気軽にガチマにもぐって良いのよ」

 

 

 

ロビーの前はからりとした風が吹いていた。街の喧騒と入り口に響き渡る音楽で自分の足音は聞こえなかった。昼下がり。まだピークタイムではないロビーの、すこしがらんとした空間の中で、4号は3か月ぶりにその声をきいた。


「ひさしぶり」

今日はやるのか?そう続けて言葉をかけられたが、4号はちらとそちらを見ただけで答えることはなく、そのままマッチを開始した。

 


3時間潜り続けた。

 

 

楽しい。
勝っても負けても楽しい。

 

 

ガチパワーは気にならなかった
味方は溶けたし、溶けないときもあった
味方は塗らなかったし、塗る時もあった
味方はタイミング悪くデスをしたし、いいキルをとるときもあった
マッチングは壊れていても気にならなかった
そういうものだとおもった
それよりも、自分が何ができて、何ができていなかったか
それだけに集中することができた


感謝

 

 

だれかとプレイができること、スプラをできることそのものへの感謝が10000回胸を交錯した。

 

 

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「楽しそうにプレイしてたな」
帰りのロビーで、声をかけられた。

 


しつこいな、と4号は顔に出したがガチマは構わず続けた。
「俺のこと、少しはわかってくれたみたいだな」

 


うぜえ

 

 

そう率直に思った。塩対応なので、連絡を取らず放置していたらいきなり絡み始めてくる自分勝手な彼氏のようだった(本当は放置した時点でもう元彼扱いなのだが)

 


そうか


4号はふと顔を遠くをみた。

 

 

うまくいかない、勝てない、伸びないというのは、彼氏との倦怠期みたいなものなんだ。
であれば、今までのものをを切り捨てて、新しい男を見つけるのは自分のQoLを高い状態にキープするための基礎行動。
同じことをすれば、スプラのQoLは高まるんじゃないか。そして、きっとその「今までの行動パターンを切り捨てる」というのが、「強くなる」ということなんじゃないだろうか。そう、たとえば「味方のせいにする」とか、「プレイ中に謎に溶けた味方に文句を言う」とか、「マッチングのせいにする」とか

 


「ガチマは恋愛でいう結婚相手じゃなかったんだ。わたしが集中すべきは、対抗戦やプラベだったんだ」
これが強くなるということなのか。

 


味方のために強くなりたい。言葉にはならなかったが、それに近い気持ちが、じんわりと心臓の奥の方からひろがってくるのを4号は感じていた。

 

 

「対抗戦、したいな」
急に空が明るくなったような気がした。


足取りは、ロビーから、ニューイヤーの準備に浮かれたハイカラスクエアのメインストリートに向かっていた。もう4号にはガチマの声は届かず、15時のニュースのアナウンスにかき消されていった。

 

 

次回「ルールブキトップはとつぜんに」byぼーりー

 

 

 

 

 

 

 

んなわけあるかああああああああ!!!!
パワー吸わせろやぁあああああああああ!!!!

*1:小料理 いかずち

私だったらノヴァブラスターの記事を書くと思っただろ?果たしてどうかな?


この記事は2019 Splatoon Advent calendar の9日目の記事です。

 

adventar.org

 


seong15といいます。普段はツイッターにいます。


タイトルは完全に身内向けです。すみません。でもSplatoonアドベントカレンダー、完全にSplathonの人めっちゃ多いし、いいよね、みたいなお気持ちがあります。

 

正直、これをかいている時点でまじで何もアドベントカレンダーの中身考えてなくて、完全に今までのSwitchの動画ペタペタ貼るだけのライトな内容になってしまいそうなので、また書き直すと思ってます。いや、やらない気がします。

 

2018年はおもにノヴァとデュカスと黒ZAPを使っていました。が、脳筋なのでデュカスはつらいです。最近はバケデコとクアッドに目覚め、甲子園で優勝した人からは「正直ノヴァよりもバケデコとクアッドのほうが上手いよ」と家庭で言われ続けています。うるせえかなしい

 

 

 

 

ね、こんなに苦労するブラが、バケとクアッドではこうですよ

 

 

 「勝ち筋」だよ

 

 

 

 


どうですかみなさん!ノヴァよりもバケやクアッドのほうがいいですか!?
最近haya14busaクアッド検定1級とれたし、ここはやっぱり環境武器にいくべきですかね!!!

でもね、ノヴァはいいやつなんですよ。
ここで私がGWのSplathonでLTしたノヴァの良さを説明するスライドと動画を紹介します。

 

◾️スライド : ノヴァブラスターについて

docs.google.com

◾️動画 : ノヴァブラスターの良さをPRしていく

www.youtube.com

 

 

# やっぱりノヴァなんだよね

 

まったく予定してなかったけどフリーランスになったし会社をつくりそうという話

この記事は、フリーランス Advent Calendar 2017の12/6の記事です。

 

はじめまして、seong15といいます。流しの事業開発を自称しています。

今年人生で初めてフリーランスになりました。正確には、2年前に1回フリーランスになりかけたんですが、完全リモートで働く会社(当時数名)に転がり込んで、2年くらいビジデベをやったりプロダクト売ってました。

 

フリーランスになるに至った経緯は退職者アドベントカレンダーに細かく書ける気がするので一旦省きますが、フリーランスになってよかったこと、悪かったこと、悩んでいること、今思ってることなど書いていきたいと思います。

 

 

活動とその結果

8月ごろからフリーランスで始めて、自分から営業かけた会社は4社くらいでした。一本も成約・継続しませんでした。結構激しく値切りされたので、「やっぱりアウトバウンドで獲得した顧客はあんま質がよくないなー」って思いました。

9月にFBでお客さんを募集したところ3件引き合いがあって、結局続いてるのは2社です。

8月後半~9月は10社新規訪問いくぞ、とおもって目標設定して営業活動してたんですが、意外と7社で目処がついたのでよかったなと思ってます。

2社くらいで十分かな、と思ったのですが、仕事のリズムがあんまりよくないので、無理やり3社にして、テンポよくアウトプットが出るようにした方がいいのかなと思ってます。

 

受注金額の具体的な内訳は言えませんが、年商にすると1本越えるかな?くらいの体制をつくることはできました。しんどかったけど、思ったよりはスムーズでした。うれぴー。

 

 

よかったこと

①マジ解放されてる

完全リモートの会社にいたときに「こんなに自由に働けるなんてサイコー」とか思ってたんですが、フリーランスはもっと自由でした。

まず社内営業をする必要がない。職務に関係ない人のご機嫌を取る必要もない。

営業を一番長くやってたにも関わらず、わたしは社内営業(というか、社内で自分を良く見せること)が苦手です(そしてそれでいつも失敗する)。

苦手というか、興味がないんです。職務に直接関係ないけど声が大きい人に配慮して私の仕事の質が微妙になることでお客さんは喜ぶんですかね?みたいな。

また、営業のお仕事をわからないタイプの人に、時間の使い方や仕事の仕方をとやかく言われなくていいってのがサイコーです。

 

 

②より時間にシビアになった

より1時間で出せるアウトプットに敏感になったことは良かったなと思います。短時間で仕事してたくさんお金もらえる方がいいじゃん、みたいなところです。だってスプラトゥーンしたいし、お料理にも時間かけたいし、犬とも遊びたいし、映画も見たいし、できれば英語も勉強して、また漫画を描きたいし....

 

 

③それなりの扱いをしてもらえる

独立したことで、周囲の人がそれなりの扱いをしてくれるようになりました。

エンジニアでもデザイナーでもなく、事業開発という領域でやってることを珍しがってくれる人もいます。お名前覚えてもらうのもお仕事のうちなのでよかったです。

結構探せばいると思うんですけどね?🤔

 

 

 

悪かったこと

①会計保険税金関連面倒

小数点の位置を間違えて数学のテストが0点になるタイプだったので、これはやばいと思って税理士にお願いするようにしました。

それでも面倒です......

 

②扱いについて

「それなりの扱いをしてくれる」と先述しましたが、本当に「それなりの扱い」をされることもあります。やり始めた頃に営業に行ったある会社は、私の見積もりを3分の1まで値切ってきました。それ以外にもスキルや経験が全然違うのに社長にマウントされたりと、ひどかったのでフェードアウトしました。

 

③太りました

+4kg.....たぶん後述するストレスです。

今犬とジョギングしてます。

 

 

悩んでいること

①自分の市場価値

フリーランスになって、以前よりも自分の市場価値をものすごく意識するようになりました。

イケてるマーケットでイケてるポジションをとって結果をださなければ、簡単に時代とか若い子とかすごい人とかに置いていかれる、という気持ちが強く、非常にストレスです。直近までは目の前の生活基盤を安定させることに手一杯だったので、やれてる案件が少なくブレイクスルーがないのも原因の一つかもしれません。

 

なぜそんなことを考えるかというと、雇用形態問わず、知的好奇心が満たされてドバドバーっと気持ちよくなる仕事がしたいからです。それには「できること」を状況や時代に合わせて変えていかなければいけない。少なくとも私の年齢(30代前半)は沈みゆく経済から逃げられないんだから。

 

結果どのマーケット(=お客)に自分の時間を投資するのか、少しでも判断が遅いと命取りなんじゃないか、という切迫感を毎日感じています。お客さんをシビアに切る判断をしなければ、という気持ちが常につきまとうのは、無邪気にお客さんを好きでいられた会社員時代とは決定的に違うことで....お客さんのUXの追求と、自分の生存戦略が折り合わないことは、正直、いままでに無いストレスです。

 

 

②New Discoveryが遅いし少ない

じつは結構このフリーランスという状態には飽き始めています。

理由は、よく「外からのインプットがすくないから」というのが言われますが、そういう方向性のことです。

詳細でいうと、どちらかというと私は壁打ち相手を誰かにしてもらって自分で答えを見つけるタイプなのですが、すぐそばに壁打ちをしてくれる人がいないのはもどかしいですね。完全リモートの時は、なんだかんだ社長を捕まえれば壁打ちはできたので。

もちろん、お客さんとは週1~3のMTGをしていますが、そうじゃないんだよなーと。

ここらへんの対策は後述の方法で解決したいと思っています。

正直、「ふんふんそうなんだ。で、どうしたいの?」って言ってくれるbotだけでもいいんだけどなあ。。。

 

 

③ 人で悩むのは変わらない

発注してくれた人と合うか合わないかみたいなところです。

取引見直す大きな要因でもあります。転職と似てますね。

 

 

今思っていること

①結局エンドユーザーの評価だけ見てればいいのではないか

  • お客さんをシビアに切る判断をしなければ

とか言っておきながら、やっぱりお客さんの反応は気になるのでMTGにいくたび価値が出せてるかすんごく気になってたんですが、結局さっさとサービスつくりまくってユーザーの反応を見るのが一番正しい評価軸のような気がしてきたので、最近そのように割り切ろうと思いました。

 

 

②「雇われたくない合同会社」でも作ろうかな

  • すぐそばに壁打ちをしてくれる人がいないのはもどかしい

と言いましたが、やっぱり知見の交流ができないのは本当にエウレーカの回数に影響してよくないので、なんとかして常日頃、雑談ベースでもいいから話ができる人が欲しいです。

あと、どうしてもIT健保に入って寿司をたべたりバーで酒を飲んだりしたいので

IT健保にはいる+自由に顧客と取引したい/物作りしたい人たちが、知見を深めディスカッションをする組織をつくってしまっても良いのかなと思いました。

社名はまだ決めてないんですが、(ミニマムにつくれるので)合同会社にすることは

決めてるのと、「雇われることに窮屈さを感じる自分の腕で飯を食ってる人たち」に

うまく活用して欲しいので、「雇われたくない合同会社」って仮の名前で呼んでいます。

 

IT健保の加入条件が

- 1年以上協会けんぽに加入

- 20人以上

- 平均年齢35歳くらいの社員構成

 

とのことなので、会社設立したら、のんびりTwitterで採用LPをツイーヨし続けようと思っています。

今のところ、私ともう一人でやる予定です。会社名が決まらずに2ヶ月がたちそう。。。!がんばる。

 

 

③自分がやりたいことをまた見つけたい

正直、今の状態は自分にとって充電してるようなものだと思ってて、(マーケットも含め)条件さえ合えば話は断らなかったのですが、それだとやっぱ何か張り合いがないです。正直、思ったほど生産性をあげられてないのはこの張り合いのなさのせいなんじゃないかなって思ってます。

結婚して子供産んだりしたらパワーが分散しちゃうのかなとかすこし不安だったり、子育てに夢中になっちゃってどうでもよくなっちゃうのかなとか思いますが、それでもやっぱり今は、時代を追いかけていたいというか、シンギュラリティじゃないですが、シフトチェンジする瞬間は見たいというか(だんだんスピリチュアルな内容になってきた...)。

なんとなく日本にはもう無いってのはわかってるので、他所に行くための打開の一手を打たなければってかんじです。やっぱ一回外資入っちゃうのがいいんですかねえ。日本法人立ち上げとかならやってみたいんだけどなー(1年くらい)。

 

 

は〜〜〜〜サンフランシスコ住みて〜〜〜〜(今年出張ついでに行った)英文レジュメおくるぞーーーーーーー

 

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仕事で人生でアレになったときに繰り返し読む漫画のこと

seong15です。

みなさんは仕事で人生がアレになることはありますか?
アレとはつまり、

そんなかんじのことです!(ここまで書いただけですごい字面)

そのほかにも、

  • リーマン直後新卒入社した会社でセクハラとかイジメとか(誇張表現かな?)に遭いながら成果を出そうと奮闘したり
  • その後素敵な会社で働けることになったり
  • イカのゲームをやってたらなんか界隈で音に聞くエンジニャーンたちと寿司や肉を食べる仲になってしまったり
  • 自分でも全く知らない間に独立してしまったり


することも言います。

ほんと、なんで人生こんなことになっちゃうんでしょうね?落差が激しすぎて、そろそろこれらのエピソードを元に漫画を描いたほうがいいんじゃないかとすら思います。

この記事では、そういう「正直もう無理」「知らない間にこんなところに来てしまった....」みたいなシチュエーションの時に、私が自分を見つめるために読む漫画を紹介します。


辛い時に読むやつ

①あなた...「覚悟して来てる人」......ですよね
人間、面白いのは辛い時は辛いという自覚がないことです。なんか毎日がぱさぱさするというか、ボーっとするんですよね。ふわふわしてて現実感がないんですよ、辛い時って。
で、そういうときはいつもこの漫画を何となく手に取っちゃうんですよねえ。

 

 

 

そう、これね
これのね

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このシーンね。

なんでかわかんないけど、このシーンをみると、なんかこう、「あ、もしかして今私、よくわかんないけどポアされそうかも」 というような気持ちになって、こんな気持ちになるんですよね

 

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ジョジョっていうのは荒木先生もおっしゃってる通り「人間賛歌」っていうか、マハーバーラタとかオデュッセイアとかあのあたりと同じものだと私は思ってるんですが、その中でも5部は誰が主人公か解らないくらい全てのキャラクターに背景があって、最高の漫画の形の一つだと思ってるんですよ。物語にほとんど漏れがない。

でね、「この辛い感じをポアしてえ!」と思うと、こういう気持ちになるんです。

 

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素数は数えないです。

 

 


②神の愛にむくいる術も持たないほど
あとね、ジョジョ5部読んだときはだいたいこれもセットで読みます。

 

 
オスカル・アントワネット問題は、連載が終わって40年たっても日本の労働社会に横たわっていますから、ほんとこの国は進歩ないですね(今は『成果は男と競え、でもコミュニケーションでは男をたてろ』だからよりタチが悪いですが)。
とか思いながら、とりあえず一通り読むんですけど。

オスカルが男装の麗人であーだこーだっていうところも苦しさ悔しさ無くしては読めないのですが、自分が何者であるのか、悩み抜いた末にオスカルが今際の際に出したこの結論はマジでほんと全ての人の心の礎になってほしい。

 

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これね

 

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ここね


スティーブ・ジョブズが「明日死んでも悔いはないか?」みたいなこと言ってて刺さる〜みたいな話がありますが、私はオタクなのでオスカルのこのセリフのほうが「ウワー!!!わたしもこんなこと言って人生終わりてえー!」「それに比べて今の私はどうだ!やるぞ!!」とか、安直なのでなるんですよ。私、この漫画中学2年生の頃から読んでるんですけど、そこから変わってないってことですね。


あとね、アントワネットどちゃくそ可愛いです。

 

辛いってことが自覚できたら読むやつ

①ただしそれが全て叶ったら

 

のだめカンタービレ(1) (Kissコミックス)

のだめカンタービレ(1) (Kissコミックス)

 

 
のだめは千秋にものだめにも共感できるというか、「わかる〜〜〜」ってなるんですよね。千秋の「なんで俺はまだここにいるんだ??」って日本で自問自答するあたりとか、でも割合的にはのだめが多いかな。

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このあたりね、ほんとまじずっと思ってました。特に若い頃。みんな勝手に私のこと起業家になるって言ってたからね。なんねーよ。

そうじゃなくても、「なんでこんなところまで来てしまったんだろう」「こんなところに来るつもりじゃなかった」って、フワフワした虚しさをよく感じてました。
今でも時々思います。

 

 

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「オクレール先生、なんで私のことわかるんや....」
ってほんとよく思ってましたし、今でも時々思います。


ところが私は20代の半ばにメフィストフェレス(複数)に出会ってしまいまして。

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こんな具合に奴隷契約をしてしまい、もうメフィストたちとの契約は終了したんですが、なぜかまだ労働をしています。別のメフィストと契約してるから....。
ちなみにここで使われてるのはボーイトおじさんという人のファウスト訳という噂です。私たちがよく見れるのはグノーおじさんぽい。
金の子牛の歌はいろいろバージョンがあっておもしろいですよ。

 


Ildar Abdrazakov Le veau d'or from Gounoud 's Faust

 

 

何となく自分が客観的に見れた後に読むやつ

この2つですね

 

大奥 14 (ヤングアニマルコミックス)

大奥 14 (ヤングアニマルコミックス)

 

 

大奥は特に田沼意次阿部正弘のあたりをめっちゃ読みます。源内と青沼のおかげでイノベーションが起きるあたりとか最高に震えますね。
田沼と阿部の腹の決め方とか立ち振る舞いとか普通にオッサンたちに有効なので若い人に参考にしてほしい。あと加納久通みたいな部下ほしいよねって思います。

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大奥ではいい感じにキャラクターの人生のはしごが突然外されるのも、日本文化(残酷)ってかんじで共感できます。


チェーザレはね、チェーザレになった気分になれば世の中楽勝なのでとりあえずチェーザレ読んだらいいよってかんじです(雑な紹介になってしまったけど、チェーザレの話をするには私の世界史フォルダが火を吹いて本当に取集がつかなくなるのでやめます)


漫画はいいぞ

今回は仕事で人生がアレになったときに読む漫画を紹介しましたが
人間関係でアレになったときも漫画に頼ると回復が早いです。
優れた読み物はいつも自分を映す鏡になってくれますね。


おまけ

単純にいい気分になりたいときはこれですね

 

 

 これは読むだけでグローバル人材になれる漫画です。おすすめです。

こっちは読むだけで起業できるようになる本です。

 

 

おぴまい

完全リモートの会社をやめて、人生にまったく予定のなかった独立というものをしてしまった気がする

 

seong15です。
完全リモートの会社に入社して、2年くらいたったのですがいろいろあって辞めました。

 

 # 何をしていたか

5年くらい働いていた気がしますが....ここの会社では、とにかくビジデベというか、作ったものを売ることをやってました。
ある業界向けのCRMサービスを売っていたのだけど、

ぶっちゃけ大手しか買ってもらえそうなとこがない、でも全く実績がないの、だって今年生まれたサービスなんだもん🎶 ど〜しよ〜!?

みたいな状況の中で、とにかく大手のアカウントをぶち開けることをしていました。あとは、イベントのスポンサーとかも開拓してたかな。スポンサーと思って開拓してたらお客さんになっちゃった企業とかありました。

 

とても良いお客さんに恵まれて、本当に全面的に会社およびサービスを支援していただき、無事1年で、その業界の国内最大手企業を9割近く開けることができました(インバウンドや未取引もありますが)(市場規模はそれなりだけどプレイヤーが決まってる業界なのでできたことです)。
一部外資もこじ開けたりなんかして、英語やっててよかった〜ってかんじです。


社内でやっていたことといえば、主にプロダクトオーナーと社長と私の3人で事業展開を考えており、POや 社長から出てくる機能や周辺プロダクトのアイディアがお金になるかの調査や、どうお金に するかなど、クライアント目線をプロダクト設計に組み込む役割をしていたかんじです。

 

会社が4人だった頃から業務委託として関わり、当時からユーザーヒアリングやプロダクトづくりに携わったりしてました。複数やって、世に出なかっ たものもあります。
わたくしのお家芸である採用も運良くうまくいき、会社にとって最初のデザイナー、最初マーケター、フロントエンドのスペシャリストを得られたのは、大きかったなと思ってます。

 

社長始めエンジニアの多くは皆サービスやビジネスの構造に関する理解が高かったので、プロダクトのゴールや、価格を決めるときに 目線が合っていたのが良かったなと思ってます。とくに社長とCFOとは本当に金銭感覚が合ってて、ここが合わないとほんとに不幸なので、なんかもうそれだけで安心して会社のリソースやサービスを最適価格で売り歩けました。

 

軽く育成みたなこともさせてもらいました。サービスを一緒に売っていたエンジニアくんは、今や立派なPO兼事業部長になり、クライアントMTGで30分喋りまくる彼のワンマンショーを、どううまく昇華するか、育成方法を考えてた頃が本当に懐かしいです(正直すぐ理解してくれたので育てたと言えるのか怪しい)。引き続き飛躍してほしいです。


やめた理由はいろいろありますが、いわるゆベンチャーの成長痛みたいなものです。
要因分析をざっくりすると、対面で話せる会社だとすぐ潰せる不安の芽が、完全リモートだと顔合わせる機会が少ないのでおろそかになりやすい、ってとこです。まあ、オフィスのあるなし関係ないかもしれないですが、潰しにくさは感じました。

とはいえ、オフィスに勤めてると感じる煩わしいことも、完全リモートだとなくなるので、とても良い勤務形態だと思います。上記の点を留意点として、世の中に広まって欲しいです。会社とは基本的には円満な関係なので、また縁があればお互い仕事振りましょう、と社長と話しています。

 

# これからどうすんの?

本当は就職したいんですけど、犬がいるし、犬は1日8時間以上放っておくとドイツかどっかでは法律違反なんですよ。犬同伴出勤可の会社さんがあったらいいなあ。

 

そんなわけで、人生で全く予定のなかったフリーランス的なものをやってます。予定は所詮未定ですしね。
具体的には、プロダクト開発におけるデザインとシステム開発以外のことをまんべんなくやってます。なぜかSketchで画面遷移図やワイヤーを引いたり、ユーザーインタビューやったり、プロダクトでどうやってお金稼ぐかを考えたり、もはや営業じゃない。たぶんビジデベとかプロデュースとか世間で言われるような範囲なんですかね。正直、「なんでこんなところまで自分は来ちゃったんだ??不労所得はどこ??」ってかんじです。

 

AIのサービスにいくつか関わってて、しばらくはこのあたりを追いたいな〜というかんじです。取引先はどベンチャーさんが多いですが、超大手の新規事業の立ち上げなんかもやってます(なぜこの案件が私にきたのか未だもって不明だけど発注してくれたFさんまじありがとう)

 

あとサンフランシスコに住みたいので、あちらの気になる会社に英文レジュメを送ろうかな〜と思っており、英語の先生にレビューしてもらっていたりしています。

 

本当は就職したいのですが、10年近くの社会人生活、ことごとく組織の人間になることに失敗しているので、向いてないんじゃないか、というのが今の気持ちです。でもべつにずっとフリーでやりたいわけじゃないんですよね。というか、フリーとか、正社員とか、なんなんですかね? 成果が出れば、なんでもいくないですか?なぜ場所と時間で人を縛るんでしょうか。私たちは元は旅人だったというのに(モアナ)。 なんかもっと新しい企業と個人の関係ってないんですかね。

 

それ以前に、私は前世で結構徳をつんだはずなので、 5000兆円とはいわないまでも、6億円くらいはもらえるはずなんですよ!!非課税で!!6億円が来い!!

 

 

そんな事故物件な私に興味あるという奇特な会社様がいたら是非お会いしたいです。ランチとかホイホイいきます。


# 連絡先

こちらまでどうぞ
https://twitter.com/seong15_


# 例のアレ

干し芋のリストです。
http://amzn.asia/gLmu96i

いつかの面接と、もらった言葉たちの話

※くそエモい話です。

 

 

【後編】転職活動で気づいた、採用が下手な会社と上手な会社 - ジンジニアニッキ!

を読んで、昔のことを思い出したので書く。

 

 

1社目を辞めるまでのサマリー

前に書いた記事にあるとおり、私は何度か転職している。

1社目はとある領域に特化した、中小の派遣サービス企業だった。結構アレな会社で、簡単にいえば新卒使い捨ての会社だった(今はどうなってるか知らない)。
OJTは名ばかり、若手の育成フローは整っていない、営業会社なのにKPI設定も分析もせず、パワハラ部長が新卒の家に押しかけて性的交渉を要求する、というような事件も起こるような会社で、簡単に言うと毎日大変だった。
(しかしこんな会社は世の中には当たり前のようにあると思うので、日本はやばい)


私は、新卒研修で発言が目立ってしまったせいか(私にその自覚はなく普通に過ごしてただけなのだけど)、配属当初からチームの人に腫れ物扱いされていた。皆、私をどのように扱ったら良いのか解らなかったんだと思うが、非常に威圧的で、「なんで私はこんな温度感高めなコミュニケーションをされているんだろう」と、非常にストレスだった。


特に私が覚えているのは、配属されて二週間もしないうちに
「君はめんどくさい」
と上司や先輩たちに言われたことだった。
細かい文脈は覚えていないが、そう言われて
「そういう発言が、人のやる気を削ぐかもしれない、という発想にこの人たちは至らないんだろうか」
「よく知りもしない人間に対して容易に評価を下すことは、人材サービスを提供する会社のやることなんだろうか」
と思ったのをよく覚えている。


私が「全部一人でやろう。誰も頼らない」となるまでそんなに時間はかからず、数字はあげながらも、毎日嫌味を言われない程度にしか残業はせず、20時にはさっさと帰っていた(こんな中でも部署全体の案件を取りまとめて成約率を20%上げたんだから、自分で当時の自分を褒めてやりたいし、1社目の人は本当に仕事をしてなかった)。


業務時間以外では、ほぼ社内の誰とも関わらなかった。
(唯一私をしっかり面倒見てくれる先輩はいたが、ご転職されたため、その人との関わりも半年程度で終わってしまった)


「いつか辞めてやる」と毎日思っていた。でもその具体的な「いつか」は自分ではわからなかった。こんな100人規模の会社で、たいした成果も出さず、大したソリューションも提供していないうちは転職先が見つからないと思っていた。
(実際そんなことはなく、若いうちは転職しやすいので、若い皆様におかれましては、合わない会社に行ってしまったらさっさと転職しましょう)

 


とはいえ、そんな中でも顧客には恵まれていた。
私はその時、派遣サービスの営業をやっていて、スタッフとクライアントの両方をフォローしていたのだが、
「新しく入る案件の給与についてですが、私のスキルは貴方が一番わかってくれているので、貴方が私の給与を決めてください」
と言ってもらったり、クライアントから
「うちの求人は、貴方ならなんとかしてくれると思ってるんです」
と、言ってもらえるようなクオリティの仕事はしていた。
(余談だが、その会社を辞めた後にそのお客さんと飲んだ際に、
「貴方がいなくなって思いましたが、僕たちは会社ではなく、貴方に仕事を発注していたんです」
と言われた時は、営業としてこれ以上の評価は無い、と思った)


しかし、私一人ががんばって提供できるものはたかが知れており、顧客の期待を越えられない状況は、わりとすぐにきた。
1社目は「会社全体でクライアントを支援する」という発想はなく、またそういう文化を作ろうにも、前述の通り私は1社目の人々と良好な人間関係は作れておらず、そこで人間関係を作り直そう、という度胸も、その時の私にはなかった。


私は本当にお客さんが好きだった。営業として私を育ててくれたのは、1社目ではなくお客さんといっても過言ではない。お客さんと関わること、お客さんから評価されることが、仕事における私の精神的な支えになっていた。
そのお客さんに、今以上のことはもう何もしてあげられない、という事実がいちばんきつかった。


そんな時期に、お客さんからこんなことを言われた。 


「君にはもっと高みを見てほしい。今の仕事は、君の持ち味が全然発揮されないと思う。事業をきちんと持っている会社に行って、事業を作る側になる事を心底お勧めする」

『そういう風に言ってもらえるくらいにはビジネスマンとして価値のある人間になったのかな』と思い、転職をしてみようと思ったのだった。


紆余曲折あって、私は転職活動を本格化し、沢山の会社に面接に行くようになった。
そして前職に出会ったのだが、そこでの面接の時間は今でも忘れられないものだったので、(すこし前段が長くなったが)書いてみることにする。

 
前職、一次面接

前職は、数千人規模の会社だった。
当時の転職活動では、Web業界に行くつもりだった。実際面接はそういう会社が多く、わりと順調に選考が進んでいたが、転職エージェントから「硬そうに見えるけど、相当自由な社風の会社ですよ」と言われていたのを、ふと求人票を見て思い出し、気まぐれで応募したのだった。

 

1回目の面接は、100人部署の統括部長の人だった。
「統括部長というのだから、相当偉い人なんだろう。なんかソレっぽく対応しないといけないのかな」と、部屋に通された後は結構気が重かった。

  

蒸し暑さが残る秋の入り口だった。まだクールビズが適用されている期間で、ノージャケット、ノーネクタイ、しかも、ワイシャツの第一ボタンが開いている。髪は後ろになでつけてあるオールバックで、その人は面接の部屋に入ってきた。ひと目見て思った。

 

 


「この人、怪しい。。。!」

 

 


完全に詐欺師の見た目だった。

 
統括部長は席を勧めてくれて、「僕、この事業部の統括部長やってます。よろしく。今日はあなたの話をいろいろ聞きたいですね」と自己紹介をした。まるでお茶飲み友達のような口調で面食らってしまったので、私はきっとその時変な顔をしていたと思う。


された質問は一般的なもので「今ってなんで転職活動してるんですか?」「仕事を通して実現したい世界観はありますか?」「今までの仕事で、貴方の中での成功体験ってありますか?」など、いわゆる面接の常套句ばかりだったのだが、なぜかその人が言うと違う言葉に感じられた。


彼は私の話をとても真剣に聴いていた。私が話せば深くうなずき、
「そうなんだ」
「それで、貴方はその時どう思ったの?」
と、私の話を絶妙に促すのだった。
彼の作り出す会話の雰囲気は、ふわふわと奇妙に居心地良く、私は10分くらいはずっと一人で喋っていたとおもう。


ひとしきり私の話を聞き終えた後、彼は「いいね、僕、あなたのこと人としてとても好きだと思いました。一緒に働きたいので、役員に会ってもらいます」と言い、なぜそう思ったのかの理由を、事業の状況から、その人のビジョン、社会的に課題だと感じてること、だからこの事業にどんな意味があると、自分の中でおもっているのかなどを絡めて話してくれた。

 
純粋に状況が面白かった。考える方向は違ったが、自分と似たような熱量の人が世の中にいて、その人に出会って、その人と、初対面なのに、恥ずかしげもなく自分たちの考えを発露して議論している。こんなことあるんだ。キツネにつままれたような感覚だった。
もうそれは面接ではなくなっていて、私は「この会社にはまだ興味は持ててませんが、私は今あなたにとても興味があります」と言っていた。
彼は「そうですか、ありがとう、うれしいですね」と言った。

 


「面接内で合格と言われていたけど本当なのか?」と半信半疑だったが、その日のうちにエージェントから「1次面接通過です」と連絡がきた。
「その統括部長さんが、自分から面接のフィードバックを人事に連絡するなんて、今までに無いことなんですよ!」と言うようなことをいわれて、くすぐったかったのを覚えている。

 

 
役員面接

その会社の役員面接は、端的に言ってやばかった。

 

先日と同じような人が出て来ると思っていた。見た目は怪しいけど、楽しい雰囲気で話せると思っていたのだったが、実際に来たのは全く別の状況だった。

 
ゴツくて、でかくて、大股で歩いて、入ってくる前からどすんどすんと足音が聞こえて、ドアもものすごい勢いで開け、ちょっとハゲており、色黒で、木製の筒に低い音が響くような声で挨拶をする人が面接の部屋に入ってきた。ちょうどラグビー選手が更衣室に入ってくるのに似ていた。

 


「役員やってます。すいませんね、海外出張で前の面接から間があいちゃって。今日はよろしく」

 


目もぎょろっとしており、ひと目て私は思った。

 


「ヤ◎ザが来た。。。!!!」

 

 

この会社はなんなんだ??詐欺師みたいな見た目の人が統括部長で、ヤ◎ザみたいな人が役員なのか??この会社、ますます怪しい、これは変な会社だ、本当に数千人規模の会社なのか???

 
そんな私の混乱をよそに、その役員は自己紹介を始め、

 
「僕、前の人の評価とかきかないんで。僕は僕自身で貴方のこと判断します。なので、改めて自己紹介からお願いします」

 
と私に言った。
あとから思えば「レジュメ読んでません、面接引き継ぎうけてません」ということなのだが、私な言葉のままのとおり受け取り、プレッシャーが強い....と思いながら自分の転職の経緯を話し始めた。

 


その人は、前の人とは別の、でも同じくらいの熱量の真剣さで私の話をきいてくれた。

  

私の目をまっすぐ見て、あまりにも真剣に聞くので、私は胸がいっぱいになって、おいおい泣きはじめてしまった。

 

 話しているうちに、お客さんから貰ってきた、思いもかけなかった嬉しい評価も、いろんなことが叶わなかった悔しさも、全部が頭と心を行き来して、ぐちゃぐちゃになってよくわからなくなってしまったのだった。

 
彼は話を聞いた後、しばらくして水を取りに行き、「ちょっとこれ飲んで落ち着こうか」と言った。正直内心動揺していたと思われる...ので、申し訳ないのだが、ひとしきり落ち着いてきた頃に彼が言った言葉はこんなものだった。

 


「たぶん、君は一緒に働く人に恵まれてこなかったんだと思う。30歳越えて結果が出せなければ、それはその人の責任だけど、君ぐらいの年齢の人が結果を出せない場合、それはマネジメント側の責任だから」

 


なんでそんなことを言われたのかその時は分からなかったし、正直今でもわからない。

 

でも、それはその時一番私が誰かに言ってほしい言葉だった。

 

 

 

自分が求める言葉を言ってくれる大人たち

じつは、そんなことを言ってくれた会社はここだけではなかった。某ベンチャーの社長とその部下の方も同じことを言ってくれた。

 

 こちらの会社は今はもう1000人くらいの会社になっているが、私が面接に行った時は、まだ100人程度だったように思う。

じつは例の社長と、ひとかたならぬ縁がある企業だったので、転職活動で応募したのは後半だった。会社自体に興味はあったが、「あのこと、話さなきゃいけないんだろうなあ」という気の重さもあったし、じつはこちらの社長さんが「うちで面倒みようか?」と申し出てくれているのをいったん保留にしていたからだ。社長さん、本当にすみません....。

 

 書類はあっさり通過し、1次面接で出てきたのは、某社のいる業界における、リーディングカンパニーで新規事業の立ち上げをやってきた方2名だった。
一人はカタい感じだったが、もう一人の方はニコニコしながら話をきいてくれて、
私は思ったこと、思ってきたことを、気兼ねなく話すことができた。仮にこの人をニコニコさんとする。

 


ニコニコさんは私を(何でかはわからないが)非常に評価してくれて、かつその理由が自分が努力してきた部分、ずっと評価してほしいと思っていた部分だったので、「こういう人たちと働くのは、すごく気持ちが良いだろうなあ」と感じられた。そこから社長さんに会うまでにまた面接があったのだが、それはもう私のことをつなぎとめておくための場だった。

 

社長面接に行った。
私が例の会社の、離散したメンバーだったということはすでにニコニコさんから聞き及んでいたらしく、社長さんは形式的な面接の質問をした後に、
「なんですぐ応募してこなかったわけ?っていうかなんでエージェント経由で応募してきてるわけ?」と言っていた。見た感じ結構怒っていた...(エージェント経由で決定したらお金を払わなきゃいけないのでそりゃそうなのだけど)
「あ、すいません」としか言えず、逆に、会ったこともない私のことを気にかけてくれていたのかと申し訳なく思った。

 

社長さんには、詐欺師とヤ◎ザに話した内容とほぼ同じようなことを喋った。すると、この社長さんも
「君くらいの年齢を採用することは、とても責任が重いことだ。育てて結果を出させる義務があるから」
と言っていた。

 

「だから、君の採用は慎重に検討する」と彼は言って、それで面接は終了した。
ちなみに言ってる内容は納得感があったし、言葉にはとても思いやりを感じたのだが、喋ってる態度にはとても威圧感があったので、そのギャップに私は面食らっていた。なので、彼と話している間、やっぱり私は変な顔をしていたと思う。

 

 

 社長面接の後、ニコニコさん+αが面接部屋に入ってきた。社長のフォローと私の感触を聞きたいと思ってるんだろうことはわかったので、率直に「変な社長さんだと思いましたけど、私は好きです」というようなことを言った。

 

 そのうち雑談になり、ふと自分がなぜ転職をするのか、おさらいするような流れになった。1社目をなぜ辞めたのか、辞めてどうしたかったのか。

いろいろ小難しいことを考えて、小難しいことを言ってきた転職活動だったが、結局、1社目で、自分の出したかった結果は全然出せなかったし、その力量がないことが悔しかったし、そういう気持ちが周囲に理解されないことが悔しかったし、理解させることができない自分が悔しかった。全部一からやりなおしたい、それが場所を変えようと思った理由だった。

 

 そんなことをぽつぽつと喋っていたら、やっぱりまたいろんなものが頭と心を行き来して、ぐちゃぐちゃになって泣いてしまった。

 

すると、ニコニコさんが
「いいじゃん」
と口を開いた。

 


「『悔しい』と泣けるくらい仕事してる、そのことが素晴らしいんだよ」


誰かの求めている言葉を言うこと


不思議な転職活動だった。苦しかったけど、「この世には私の言ってほしい言葉を言ってくれる人がいるのか...しかも複数」ということに実感がなかった。

ヤ◎ザ役員の会社とニコニコさんの会社、両方から内定が出た場合を考えた時、それもまた苦しくてしょうがなかった。どっちの会社も捨てがたかった。
いや、気持ちはちょっぴりニコニコさんの会社のほうに傾いていたかもしれない。数千人の会社で、社内調整なり、出世なり、政治なり、うまくやっていけるか自信がなかった。

 


でも、どっちでも安心して働けることは確かだった。「若手が結果を出せないのは、経営者の責任」と、当の本人たちが言ってくれるのだから、わたしはきっとどっちに入社しても、自由にやっていいのだと思えた。世の中にいい大人はいた。自分が小さい世界で、右往左往していたんだな、ということを感じるのにそこまで時間はかからなかった。

 

 

こういう風に書いてみると、宗教に入信する人の状況にかなり近かったように見える。当時もそんなことはぼんやり思っていたが、仮に彼らの態度が若い労働力を採用するための手段だったとしても、それで構わないと思っていた。最後まで騙しきって、夢を見せてくれれば、それは私にとっては現実とイコールだ、と。少なくとも、私は彼らから「最後までお前に夢を見せてやる」という覚悟は感じていた。

 


数日後、ニコニコさんの会社からはお見送りの連絡がきた。若手はもう採用しきってしまったとのことだった。社長さんがあの時、『何でもっと早く応募しなかったのか』って怒っていた理由もわかったし、無理して私を採用しない姿勢に好感がもてた。

 

同時並行で、ヤ◎ザ役員の会社とは、統括部長+彼の部下とで飲んでもらうことになっていた。内定受諾をしてないのに快く快諾してくれたのは今でも感謝してるし、統括部長がとても目をかけてる女性の部下3人を連れてきてくれた心遣いもありがたかった。飲み会の場で私は「内定を受諾します」と言い、そのまま二次会に流れた。二次会では彼の部下がもっと集まってきて、なんと部下たちがその統括部長をイジっていたし、部長もそれを楽しんでいたので、私はまた面食らってしまった。

 

 

今でも私は営業職を続けている。
人に会う機会はやはり多く、最近は自分より若い人の悩みを聞くことも多くなってきた。
泣いてしまう子だっている。泣けない子もいる。そんな時に、私がもらった言葉たちを、いつでもあげられる大人でいたい。夢を見せる立場になって、あの時の大人たちが、どれだけ私の前で親身に必死になってカッコつけていてくれていたか....そのことを想像すると、何とも言えない柔らかな気持ちになって、いつもクスっと笑ってしまう。

2016年買ってよかったものを晒すよ

 

2016年今日でおわるので、買ってよかったもの晒します。


服・化粧

プラダのニット

これなんですけどね

 商品名がわからないのでツイートを掲載。

スタイルが(他のニットと比べて)凄くよく見えるニット(個人の感想です)。ていうかハイブランドってバッグや財布じゃなくて服こそ買うべきと悟った。着衣時の体の見せ方や機能性が全然違う。


クラランスのオイル

毎月いってるマッサージの施術師ヤハギに「顔乾いてますよ。薄くてキメが細かいのは油分も抜けやすいってことなので、オイル塗って保湿したほうがいいですよ」って言われて思い当たる節があって速攻買った。香りが素晴らしい。これ買って肌トーン明るくなりました。

 

 クラランスのピーリング

 オイル買うときに「なんか日焼けしてしまって顔暗くなったんです」とクラランスのおねーさんに言ったら勧められました。
試供品もらって、速攻効果でたので購入。お陰で日焼けが抜けました。
本当にソフトな、スクラブとか一切入ってないピーリングなのでお肌痛くならないし使いやすいです。

 

バイス・IT

ネクサス5x

 正確には貰い物なんですけど、なんでiPhone使ってたのかな?ってくらい便利でiPhone使っていた自分に「Nexusのがいいよ」って耳打ちしたいくらいです。

 

Google music

play.google.com

 Google playが割安になるよ

 

生活用品

イケアの収納 

 ステーショナリーやコードなんかの収納、これで全部すっきりしました。蓋もついてて見えない!

 

珪藻土バスマット

 バスマット洗濯がゼロになって最高です。

 

フォーエバーニュー

 下着、靴下の汚れどころか、白い衣服もコレに漬けておけば超きれいになります。ほんとにぬるま湯で漬けておくだけ。本当にぬるま湯で漬けておくだけです!!

 

 

コンテンツ

 ヤマシタトモコひばりの朝

「頭を強く殴られて死んだ」という気分になる。最近綺麗事なオチのコンテンツばかり摂取してしまって「砂糖食べすぎたわ」みたいなきもちになっていたので、「これこれこういうの待ってたああああ」ってかんじになった。
この作品では、誰も悪くないけど、みんなが悪いんです。主人公・ひばりの将来はみんなのせいで歪みました。でもそれは私達全てに起こりうることで、誰でも被害者になるし、すぐに加害者になるんだなっていう「人々〜」みたいな気持ちになる作品です。

 

愛は技術

愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。

愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。

 

アラサーの皆様と、男性にも読んでもらいたい一品。みんなで強く生きよ!という気持ちになります。
私は女性としてはかなり珍味なので、普通のモテテクとか「こうすれば意中の男性にモテる」みたいなのって全然自分に合わないなーと思ってるんですね。なんか疲れちゃうっていうか、続けられないダイエットみたいなかんじで。
なんで、「選ばれる」んじゃなくて「選ぶ」方で生きていこうな、と思っているんですけど、コレ読んで「あ、やっぱそれでもいいよね!」ってなりました。


ズートピア

play.google.com

この映画を見た私「歴代見てきたコンテンツの中でも1、2を争うバリタチ主人公やばい」

狐に圧倒的感情移入ができます。ラプンツェルのあたりから、ディズニーの出すアニメってすごく今風というか、「『いい子』じゃない、リアルの私達」の感覚を、すべての世代にわかりやすく発信しててほんとこの会社は時代を読んで作っていく能力に長けているなと思ってます。
ベイマックスで「悪くなるのも理由がある」をやっちゃったので、完成されちゃったかなとおもったんでしたが、これが真骨頂でした。人間がどうやって出来上がるのか、「与えられた場所が咲きづらいなら、何を変えていくのか」を、小学生とかから考えられるような作品になっています。
同スタジオの次の作品に期待です。


マッドマックス

play.google.com

言わずもがななのですが、Google Playで100円になってたので買いました。
イデオロギーの映画ってほんといいよね。仕事用BGMにしてます。トム・ハーディ最高にかっこいいでしょ。あの唇が。

 


逃げるは恥だが役に立つ(漫画)

 漫画のほうがいろいろ細かくて「わかる」となれます。

円盤も買うぞい!

 

 Fantome

Fantôme

Fantôme

 

これを聴いた私の感想はこちらです。

 

 

 

っていうかうちのブルー(黒ラブラドール)

goo.gl

 

コンパニオンアニマルはいいぞ

wanchan.jp

 

30歳の独身女が買ってはいけないものトップ3に入る、いわゆるペットを買いました。
犬、QoL最高に高まります。
「自分以外の生き物とうまくつきあって生きていく方法」を学んでるってかんじです。
もちろん生活の縛りは出るのですが、犬と都心で暮らしたいから
家も買っちゃおうかなーとおもって、人生ではじめて生活設計というか、資産を作って後々に備えようって思って動いてます。

たぶん犬を買ってなかったらまとまった資産を形成しようと一切思わなかったと思います。犬と暮らしはじめて、初めて自分の人生にだけ頭とお金を使えてるかんじです。

 かわいい

 

 

補足

酒はこの2つで決まりです

 

world-l-c.ocnk.net

 

 

今年は🐡もはじめて体験して、本当に🐡とヒレ酒最高です